遊雲さん父さんー小児がんを生きたわが子との対話
息子さんが小児がんになり、15歳で亡くなった。
その対話を書かれた、浄土真宗の住職であるお父さん。
人が亡くなって何が悲しいか。ましてや、この本では子どもが亡くなった。
それは今を一緒に生きることが出来なくなるから。亡くなった人は過去の中でしか生きられないから、と思っていた。
でも、この本を書かれた有国智光さんは言う。
「写真とか、残った作品とか、要するに思い出の中に、閉じ込めてしまいたくない。父さんは「今の」遊雲さんと会い続ける。」
私はそこまで達観できない。亡くなった父も、学生時代にお世話になった恩師も、皆、私の中で生きている。でも、それはその時のままで。語りかけてくれる言葉もなく、そこにいてくれるだけ。
でもこの本を読んでいて、深い悲しみを超えたところでまた違った風景が見えるのかもしれないと思った。